【読書】クラブ
お勧め本の紹介です(MLより抜粋)
『今夜、すべてのバーで』 著者 中島らも 丸山@読書クラブ これは、作者自身の重度のアルコール依存症体験を元に書かれた小説で す。「こんな飲み方を続けていたら、35才で必ず死ぬ」と言われなが らも酒がやめられず、かといってアルコール中毒のことは気になるので 医学専門書を読みあさり、しまいには専門書をさかなに酒を飲む、とい う状態が毎日続き、予告通り35才で病院にかつぎ込まれた主人公が、 病院内で体験する様々な人間模様を描いたものです。 黄疸の症状や、その時の尿の色、入院後の様々の禁断症状などが赤裸々に 描かれ、これを読めば酒が怖くなること請け合いです。特に主治医が病院 の一室で、主人公と取っ組み合いをしながら説教する場面が圧巻です。 飲んで飲まれて飲みつぶれて肝臓を痛めた河島英吾の例に見るように、 お酒というのは怖いものです。酒量をなかなか制御出来ない人に、お勧 めの一冊です。 『通貨が堕落するとき』 著者 木村剛 (講談社、\1,800) 日銀OBの作者による近過去・近未来経済小説です。 「この小説はフィクションであり、現実にこれと類似した出来事があっ たとしても、それは偶然に過ぎません」と断ってあるにも拘わらず、 「山三證券の自主廃業」の裏話が詳しく述べてあったり、何やら長銀の 破綻によく似た事件が描かれていたりして、読む者を飽きさせません。 近未来の話では、国債の増発に対処するため、「日銀による国債の直接 引き受け」という「究極の量的金融緩和策」が実施され、政府の手により 円通貨の価値が人為的に堕落させられて行く様子が描かれています。
『ガダラの豚』 著者 中島らも(灘高、大阪芸大) 福原@読書クラブ
日本推理作家協会賞を取ったと思うから、ミステリーなのかなぁ。
よう分からんけど、ただエンターテイメント的に面白いという意味
では、ここ10年くらいのわたしの寡読?の中では傑出していた。
それと登場人物がなんとなく関西でおなじみの芸人(故枝雀とか
ゼンジー北京とか)がモデルになっているようでもあり、まぁ少し
アクは強いが理屈抜きで楽しめました。
『朗読者』 著者 ベルンハルトシュリンク
南谷@読書クラブ
ドイツの話しなので、ナチスのこともでてきます。
少年時代にあこがれ、付き合っていた年上の女性が突然彼の
前から姿を消し、何年か後に思いがけない場所で再会し、また
かかわりを持つことになる話しです。
女性がいきいきと描かれ魅力的であり、哀れでもあります。
魅力的といっても、女っぽい色気ではなく、もっと冷たく無機質です。
『風の谷のナウシカ』 アニメージュ出版 全8巻 中村@読書クラブ
いい内容なのに、紙が悪いのがもったいない。
宮崎アニメで有名になったものの原作です。
映画化されたのはほんの一部で、本編は複雑なストーリーです。
鈍くさい私は3回ほど読み直してやっとストーリーの流れがつかめました。
内容は環境や自然との共生についてです。
重い内容ですので、私なんかアニメでなかったら絶対読んでないでしょう。
『五体不満足』 著者 乙武洋匡(おとたけひろただ) 芳賀@読書クラブ
二三ヶ月前,古本屋で見つけたとき,他に買いたい本がなかったので,
人間工学の授業でバリアフリーとかユニバーサルデザインを教えるとき
の例に使えるかも知れないと思って買って帰り,そのまま読まずに放っ
ておいたのですが,昨日,ふと読み始めたらこれが案外面白い。一気に
読了してしまいました。
本人の性格,知能,+両親,先生,クラスメート達にあまりにも恵ま
れている,こんなラッキーなケースは滅多にないだろう,その幸運な体
験に基づいてあまりにも楽観的に障害者と健常者の共存を語っていると
いうキライがありますが,それでも読む価値がある面白い本でした。
『すべてはFになる』 著者 森博嗣 田丸@読書クラブ
みんなまじめなんで、ミステリは言いにくいんやけど、
最近、森博嗣の理科系ミステリにはまっています。
東野圭吾もいいけれど、有栖川ありすもいいけれど、
この大学の助教授の生活感がいいんです。
新書でみんなでていますが、文庫で順番に読んでいます。
時間トリックというジャンルだけど、
松本清張の時刻表トリックみたいな精緻なものではなくて、
クロックを使ったかなり乱暴なものです。
でも、そこに描かれる世界は極めて異常。
『魔球』 著者 東野圭吾 福田@読書クラブ
東野圭吾・・若い子に人気があると聞いたのがきっかけで読み始め、
ほとんどのを読んだと思います。
どれも皆よかったですが、特に「魔球」が大好きです。
あと、「変身」「放課後」などがおもしろかった。
『文人悪食』 著者 嵐山光三郎 田丸@読書クラブ
泉鏡花に志賀直哉、漱石、実篤、川端、菊地寛、内田百に岡本かな子
一体、どんなものを食べて、どんな生活をしていたのか、
石川啄木はどんな食わせものだったか?宮沢賢治の人生観は?
太宰の真骨頂は墨東奇(変わってくれない)談か走れメロスか?
小林秀雄はモーツアルトは語ったが何故ウマイいものは語らなかったか、
ちょっといい話の塊みたいな、エッセイ集です。
嵐山光三郎というガロだったかコムだったかで、E気持ちとかしか
印象のない人が、ここまで研究的だったかと目からうろこでした。
(山本晋也カントクもきっとえらいんだろうなとついでに思った)
『暗闇に一突き』 著者
ローレンス・ブロック 高橋@読書クラブ
この前作と連続すると、我が身を省みるとちょっとゾクットします。
『銃、病原菌、鉄、1万3000年にわたる人類史の謎』
著者;Jared Diamond 訳;倉骨 彰    前田@読書クラブ
読み物として面白い文明論だと思います(毀誉褒貶はあるでしょうが)。
いろんな論文や研究者の意見をちりばめてあって、一見研究論文の
ようでもあるけれど、コマーシャルベースに乗せようとする欲もしっかり
感じられます。 それが、売らんがためというよりも、自分の意見を広めた
いためとも考えられますが。
内容も面白いのですが、不眠症とまではいかないけれど、寝つきが悪く、
睡眠不足が翌日にこたえる年代の私にとってのこの本の一番の効用は、
2,3ページで眠くなることです。
面白いのに何で眠くなるんやと言われるかもしれませんが、
『2000年もかからずにすばやくユーラシア大陸に広まった』 とか、
『スペインからインドまで1000年とかからずに』 などという悠長な話を
読んでいると、その日の些細な出来事が馬鹿らしくなってくるようです。
『帝王から音楽マフィアまで』 (学研M文庫) 芳賀@読書クラブ
10年くらい前に雑誌に連載していたものを寄せ集めたものなので、
今読むと「そんな時代もあったなあ」というだけの話も多いのですが、
今読んでもすごくおもしろい話もたくさんあります。
世界中の有名指揮者とその人事を握っている影の実力者の話はセ
ンセーショナルでなかなか興味深い。どんなに芸術家としてすばら
しくても、この人のお眼鏡にかなわないと、あるいは、この人に逆
らうと、一生日の目を見ないとか。カラヤンがいかにして帝王にな
り、巨万の富を築いたかとか。
しかし、一番おもしろかったのは、X線写真で五線紙が何年にど
の紙屋で作られたものか推定し、モーツァルトのホルン協奏曲第一
番の作曲年を解明した「モーツァルト、その知られざる遺書」です。
そこから著者が推理するモーツァルト最後の年の生活と、ホルン奏
者ロイトゲプへのメッセージには涙を誘われます。1971年にコンス
タンツェが生んだフランツ・クサーヴァー・モーツァルトの実の父
はフランツ・クサーヴァー・ジュスマイヤだという話には驚きましたが。
『話を聞かない男、地図が読めない女』 アラン&ビース 中村@読書クラブ
この本のハイライトはP119の挿絵「女が話を聞いている時に見せる
6種類の表情、と男が話を聞いている時に見せる6種類の表情」
それからP32の挿絵「助けて!道に迷っているのにパパが止まって
くれないの」です。これを見れば元がとれる気がします。