天高新入生へ
はしがき
入学してしまってから諸君の入学がめでたいか、めでたくないかわかるであろうが、
この際、一応「入学おめでとう」といっておこう。しかし、ともかく諸君は高校生になった。
しかも大阪一の高校と自他共に認める（？）天高の生徒である。だから、諸君に早く天高を
知ってもらい、天高の名に恥じない高校生になってもらいたい。その助けの一つとして、
この‘invitation to Tennouji’ を作った。諸君が天高を知るのに少しでも役立てば
我々編集を担当したものの喜びとするところである。
我々が忙しいデートの日数を減らし、勉強時間をも減らして作ったものである。
諸君がこれを読んでくれるかすぐさま捨ててしまうかは自由だが、試験もすんで暇を
もてあましているうちに（勉強しているおかしな方もおられるかもしれないが）読んでほしいと思う。
天高年中行事
四月 入学式＝いくら不真面目の諸君でもこれだけはまじめにうけるべし。
五月 中間考査＝天下の天高にも天才とバカのいることがわかる。
六月 対夕陽戦＝姉妹校の夕陽ケ丘高校との親善を深めるスポーツ大会、（女子を見に行く会ではない）
毎年我が校が優勢。学校を上げてさわぎたてる行事だから当然盛大。
春の文化祭＝天高迷物の一つ、内容をいろいろ論じるのは文化クラブの人に失礼だからやめる。
授業なしでまるまる一日遊べるのが大きな魅力。
七月 期末考査＝やさしい？中間とはうって変わってむずかしくなる。
（何しろ問題の意味がわからないのがある程である）
水練会＝水泳訓練のこと。質実剛健の校風のもとにしごきを受ける。
補習＝（英数国）中学のオアソビと違って普通に授業同様むずかしい補習だから
といってサボって映画でも見に行くと・・・
八月 夏休み＝９月上旬に宿題テストがあるからしっかりしておくこと。
十月 運動会＝文字通りの運動会で体育祭ではないから案外クラシックなもの
（ex.綱引き、棒倒し、俵引き）もある。３学年統一してクラス対抗で応援する。
応援アーチ作りも結構楽しめる。これはぜひ手伝うこと。
文化展示会＝春の文化祭は演劇・オペラ等だが、秋のこれは展示物が主である。
十一月 音楽祭＝天高の音楽の水準の悪さがわかる。
十二月 期末考査＝二学期中間は書いていないが、あることは言うまでもない。
補習、冬休み
一月 スキー講習（希望者のみ）
二月 金剛登山＝必死に勉強中の３年を横目で見ながら、１，２年生だけが行かせていただいている。
期末考査
三月 春休み＝テストが終わるとすぐ始まる。約一ヶ月。
補習はないし宿題も少ないしこの世はバラ色（もし進学できればの話ではある）
１５日 終業式
教科紹介
最近は時代のせいか（僕たち個人のせいでもあろうが）高校生＝よく勉強する、とは言えなくなった。
よくよく遊んで、その暇でしかたがないから勉強しようといった者が少ないように思う。
今日のように猫もしゃくしも高校へ行くようではそれを別に責めることもできない。しかし、本来、
高校とは中学校での義務教育を終え、さらに学力を伸ばそうとする者だけが入るべきものである。
僕たちと同じ年齢で働いている人もたくさんいるのだ。みんなが行くから行くというのではむろんいない。
幸か不幸か天高に入学した君は本当に勉強がしたいのか？・・・・？と、まあ堅い話で始まったが、
これらはよく言われることで別に君たちのためにだけあるのではない。
そこで、高校とは学問の場であるとして、天高での勉強を紹介していこう
数学
これをサボってやろうというような豪傑はいないだろうし、恐怖統治主義の天高数学をサボることは
我が身の破滅を意味する。数学が特に不得手な人は、今の内に念仏でも唱えておくほうがよい。
６単位、つまり毎日授業がある。代数と幾何に分かれる。月火水木は代数、金土は幾何となっている。
幾何は１学期の中間が終わってから授業がある。（但し中間テストはある）
２学期までは『解法の手引き数�鬼�何』（矢野健太郎）を使い、３学期からは教科書の解析幾何に入る。
基礎の問題集を１冊購入する。（数�汽侫．ぅ覺靄棕坑娃安蝓砲海譴鬚泙犬瓩烹�?３回やればたいていの
応用問題は解ける。週に１回程度小テストがある。（先生によって異なる）これで良い点を取らなかったら、
授業中になかされるからサボらぬこと。
英語
英文法（英作）と英訳に分かれる。各３単位。これも数学同様毎日の積み重ねがものをいう。
小テストは必ずまじめに受けること。さもないと、中間・期末で泣かされる。
英文法 ２単位は教科書を使い、他１単位は英作文の専用テキストを使用する。
重要構文は必ず覚える。そのまま、テストに出ることが多い。小テストは原則としてない。
英 訳 ２単位は教科書、１単位は副読本を使用する。(昨年はSiras Marner)
教科書のexerciseからテストによく出る。また別に、「基礎からの英語」を購入し、
毎週（昨年は金曜日）テストがある。これをまじめにしなかったら、中間・期末にひびくよ。
社会
日本史（２単位）地理（２単位）に分かれる。どちらも１年の間に教科書の半分くらいまでいく。
日本史 『日本史ノート』を使う。歴史の流れを全体的に把握しなければだめ。記述問題がたくさん出る。
地 理 一夜漬け十分点をとれるテストを、全くとれないテストと出題者によってあり、
やはりまじめにやることだ。日本史と同じく大きく地理というものをつかむこと。
気候区分はあとあとまでたたる。よく覚えておくこと。
理科
生物（４単位）と地学（１単位）に分かれる。
生 物 問題集を１冊購入する。その中から、必ずテストに２，３題出る。週に１回実験がある。
地 学 地学は入試に関係ない（地学はふつう、選択しない）せいか、先生からやる気がないようである。
だが、問題集と参考書を１冊ずつ購入する。まじめにやらないと、計算問題が難解。
ゲタをはかされるとかいう噂はあるが、余り信用しないこと。テストは期末だけ。
国語
国語は現代国語（３単位）と古典乙�機文妬牽鈎碓漫楷訴検砲箸吠�かれる。漢文は２学期から。現代国語の１単位を使う。
現 国 授業をサボるとテストで泣く？ 予習はしたほうがよかろう。勉強したほうがよかろう。
勉強したからといってその簡単に点の上がる科目ではないけれど、サボっていると必ず命とりになる。
古 文 文法などの基礎を早めにマスターすること。そして古文に親しむこと。
漢 文 まじめにやれば、必ずよい点が取れる。
保健体育
男 子 実技（３単位）理論（１単位）想像以上に厳しく楽しい。
サッカー、ラグビー、柔道、水泳、サーキット＝トレーニングetc. 詳細は健康手帳を参照されたい。
鉄棒の「蹴上がり」が出来ないと差別されるから、よく練習すること。
授業はもちろんのこと、男女別に受けるが、３クラス集まって女子クラス１，男子クラス２に分けられる。
男子は最初の体育の授業の時に体育能力の調査があり、泳力と疾病等から２クラスに分けられる。
能力別であるから、授業内容に多少の差があるのは当然である。よって調査のときさばを読むと、
自分の能力以上のクラスで苦しめられたり、実力以下のクラスで体内に蓄積される欲求不満によるエネルギーの
発散場所に困るようになることうけあい。
女 子 女子の体育も男子同様にきびしい。特に女子の着替えは長くかかるので、早くしないと先生のお目玉。
女の先生は芳賀先生だけだから、男の先生に習う人もあるだろうが、理解がないから要注意。
家庭
これは女子のみ４単位。１年と２年に分けて２単位ずつ取る。その間男子は１年のうちは体育と保健、
２年になると６，７時間となり、男子は６時間目に古典（徒然草）をやり７時間目はなし、
１年のうちはまだしも、２年になるとつくづく男女差別を感じさせられる。
先生は老眼か近眼か、それとも見て見ぬふりか、よほどひどいおしゃべりをおしない限りは内職、
居眠りは大いにやれるから学力差はおきない。睡眠不足を補うべし。但しドキッとするような嫌みは覚悟しておくこと。
先生方の紹介
我らの誇るべき先生方を紹介したいと思う。ついでに永く伝わっている別名（綽名）も。
宇野憲治先生（生物）ウンチョ
ラグビー部の顧問として有名。授業は身振り手振りを駆使して「わかったと思ィーナ」の一声によって
わからない所もたちどころにわかることで定評がある。
太田博邦先生（体育）グリコ
体育教官室のヌシ。年を忘れて頑張る姿は「１粒３００米」そのものズバリ。
山口ご出身の為か「エエカ」「・・デヨ」を連発する。
岡部克也先生（政経）フワフワ
こちらは図書館のヌシ。声に混じって歯のすきまからもれる息がフワフワだから。
授業中教室内をあちこち歩き回る癖がある。授業中もフワフワと進み、心は夢の中でフワフワ。
小倉司路先生（英語）
「こうして覚えておけ」ってわからないことも一発でわかる。
加島全一先生（地理）バケツ
口がばかでかい事or全体の風貌に由来している強烈な貧乏ユスリと独特な口調で有名。
加藤栄一先生（国語）ベラボーメ
東京弁でしゃべる。間違った答をすると「そんなひょうきんなこと言ってもらっちゃ困っちゃうな」
菊井正秋先生（生物）キョンキョンタヌキ
話は専門的になることがある。擬態語、擬声語が豊かである。あだ名の由来もこの点にあるようだ。
国本照男先生（国語）イチビリ
父君が一高で倉田百三と同窓だったとか兄君が外大で教授をしているとか、しつこく繰り返す。
東大や京大へ行けたのだが、体が弱いので阪大へ行ってやったという。
酒井政雄先生（数学）サイ
苗字から転じた。別に鼻の上にツノがあるわけではない。但し窓ガラスが割れんばかりの一喝がくる。
なお、三角関数を習ったら、sinθを略してsiθとしないように。
坂田貞男先生（英語）モモンガ
時間厳守主義で有名。あだ名の由来は授業中の声が「モガモガ」と何を言っているのか
わからないことおよび全体の風貌による。
下妻清先生（物理）カマキリ
細くてよく怒る為、このあだ名がある。着帽主義者である。こんな逸話がある。
昔、ある天高生がミナミでうろついていたところ、通りがかった一台のバス、やおら窓をあけて叫ぶ人がいる。
「こらあ！そこで待っとれ。」唖然としている彼らのところに次の停留所から息せききって走りつけた
彼＝カマキリの言うには「天高生が何故帽子をかぶらんのだ」「どうして帽子をかぶらなあかんのですか」と
口答えをしたところ、「クニの為じゃあ！」の一喝が来たそうな。別名 モテル男
清水泰樹先生（英語）ピーピー
そのねちねちしたイヤミたっぷりの授業によって名をなしている。
菅原省吾先生（国語）トンボ
大和の国は榛原の住人。中学時代、「博物」の点がよかったとしきりに自慢する。
その授業は絶対にねむくならないと、言われるほどの博識である（と、自分で信じておられる）
謡の趣味がある。トンボという名に関して先生は、天高のヤツはセンスがないと、嘆いておられる。
もちろん扇はみんなもっているのだが・・・
鈴木嘉幸先生（地理）キンギョ
授業は早口の上、教科書・資料・地図ノートと移動するので、うかうかしているとわからなくなる。
大きな耳のせいか、蝶ネクタイをして歩く姿に特徴がある。いまだに独身。
地理の実地見学で自分の故郷へ連れていって下さる。（大和郡山）
相馬俊雄先生（科学）ボヤキ
授業の進度が早い割に脱線しやすい。一旦脱線するといろいろ専門的な話をしたり社会の不正をぼやいたり
一時間くらいすぐふっとんでしまう。
高畠孝爾先生（音楽）メマラソ
顔がそらまめをひっくり返したような型をしている為この綽名がある。へまをすると
「オイオイ何やってんじゃ」「幼稚園でもわかるんだぞ」とかそして結論はでてこない。
多賀谷彊先生（数学）アカオニ
恐怖統治主義により、その名は天高中に轟きわたっている。夏、真っ赤な大うちわでバタバタあおぎながら
廊下を闊歩する姿は正に王者の風格がある。コンパスでなぐられないように注意することだ。
武井正三先生（化学）
酒、タバコをたしなまぬものしずかな紳士である。授業は「・・デアッテ」「・・デアルノデ」の連発で
１つの文が十分以上も続くことがある。つまり、これを武井調といい、ある者には子守歌となる。
橘 渡先生（数学）ムチマロ・ペンペン
・・・している・・棒（別名ムチ）でやたらに机や黒板をたたくゆえにこのあだ名がある。略語の名人。
（・・・部分は判明出来ない）
田中 進先生（数学）ゴンボ
こちらは竹か棒で階段や壁をたたく癖がある。ご尊父は天中時代の名校長と言われた方である。
津田道夫先生（国語）ステテコ
奇妙にしてかん高い声の持ち主である。趣味は非常に広く、話題も豊富。
あだ名の由来は１．夏のある日、ステテコで授業をしたから。２．休み中校内をステテコで歩き回ったから。
３．文の里の商店街をステテコで買物した。等々風説が多い。
津田勇次先生（数学）コイモ
顔をみれば正にあだ名のごとし。天高在勤四十年の超ベテラン。人格と信頼性には定評がある。
徳田 顕先生（歴史）
「・・・ですね」を連発する。
中井正男先生（英語）
一見インテリ風。授業はまじめ一方。自分で言った冗談で顔がしわくりゃにして笑う。
七尾 格先生（体育）ポンスケ
天高きっての酒豪。元ゼロ戦乗りの卵で何度も死に損なったということだ。
ヘマをすると「ポンスケ」というのがあだ名の起源。
新村理文先生（体育）
やはり酒豪。キザっぽいしゃべり方の中にユーモアがある。ハンドボールが専門。天高生と大恋愛の末
ゴールインされたそうである。体育理論の時は男同士の話をして下さる。
西内 明先生（数学）アオオニ
多賀谷先生と並んで恐怖統治主義の巨頭。
平井博之先生（日本史）サンショウウオ
あだ名の由来は一見するとすぐわかる。（名付け人語る）これほど忠実に日本史のことをしゃべる機械も少ない。
福田 隆先生（体育）ピンクピッグ
水泳が得意。保険の授業の時はいろいろと将来役立つ男子向きの話をしてくださる。
福田 勉先生（世界史）生産力
円満な人格者である。口癖は「露骨に表わすと」および「生産力の発展」「何か質問ございませんか」である。
芳賀洋子先生（体育）
原納 淳先生（書道）
ニコニコ、イスをひっくり返してもニッコニッコ
藤尾玲子先生（国語）フランケン
教壇で子守歌をしゃべる。あだ名はSeeing is believing.
古田由太郎先生（英語）
天高スパルタ式教育の権化だと言われている。その小さな身体は恐怖の的である。
口癖は「あったりまえですからね」
前田利沢先生（英語）チン
チンとはあごのこと。一目瞭然である。弱みをつかむと徹底的にいじめぬくしつこさに定評がある。
授業中話の内容が落ちることがある。
松川義明先生（世界史）エロ松
ズボンが先に落ちるか話が先に落ちるか、と言われる神秘的なニヤリズムに満ちた授業で有名。
松村茂吉先生（英語）ギャング
ほほの傷はマレー戦線で敵から最近距離で撃たれたものだそうな。どら声と鋭い眼光で天高生をいためつけている。
趣味は魚釣り、最近ゴルフ。
松山安重先生（物理）ナマズ
前歯を二本出し、肩で風を切って歩き、つばを飛ばしながら美文調で授業を進める口癖は「自明の原理」
実験に失敗が多いのが唯一の？欠点である。
山口俊夫先生（数学）ウルメ・イワンキャスパー
目がうるんでいる為、この名がついた。ちいさいやせこけた身体から大声を出して天高生をふるえさせている。
柳本悦子先生（英語）オソマツカアチャン
読んで字のごとし、見て顔のごとし、柳本先生がモデルであるという説もチラホラ。
この先生の授業を全部で覚えれば外人も顔負けのイングリッシュ スピーカーとなれる。
が、授業中に「これは例外ですが・・」というのがやたらに多く、どれを覚えたらよいのかわからなくなる。
湯川修先生（数学）ハゲラ
吉開徹昭先生（英語）キチガイ
「ヨシカイ」という名を読みかえるとこうなるが、その名に恥じず、予習をまじめにやってもわからない
授業が多いという生徒泣かせのお方である。
吉本昭彦先生（国語）アオガエル
言葉を文節ごとに分けてしゃべる癖がある。授業は聴講者をして無我の境地に至らしめる。
食堂案内
諸君の中には既に入学試験当日に本校の食堂を見られて「きたないなあ。これでも食堂か」と思われた方があると思う。
確かに我が校の食堂はお世辞にも「清潔で、気持ちよい」とは言えないのであるが食べ盛りの我々にとっては
「心のひかれる所」である。
そこでこの機会に本校の食堂をおおまかに紹介しよう。天高の食堂は自治会など学校側が経営しているものではなく、
ある業者のものであり、ファンタの自動販売機以外はすべて食券を使用することになっている。
（５円の食券には文の里中学の校章が入っているが使えるから心配なく）営業時間は１０時から４時半までだから、
３，４時限の間の休み時間、教室からダッシュしたらめん類１杯くらいは十分食べられるし、
終礼が終わってからもおやつに利用出来る。又、出入り口近くにさえ座らなければ一年中、暖房完備である。
次はメニューであるが味のことは食べてみるのが一番わかるので、ただ何しろ値段が値段なので・・・
ということだけを言っておこう。定食は週に六種類あって毎週何曜が何というように一種ずつ割り当てられる。
ただし定食の他に毎日カレーライスがある。めん類はきつね大、天ぷら大、（大は二玉はいっている）ラーメン、
そば、カレーうどんなどがある。ただし、ラーメンもそばも同じ種類のそばで、味も同じ。
又天ぷらそばの別名はころもそばであるから、想像はつくはずである。この他パン○○物、夏にはアイスクリームがある。
（○の部分はよく読めない）
最後に一つ、昼休みには相当長い列に並ばないと食べ物にありつけないのであるが、決して前の方の友だちに頼んで
買ってもらうとか、割り込むなどというあさましい事はしないようにしていただきたい。又並んでいて誰かが
（前々から目をつけていたカワイ子ちゃん、またはイカスヤツであっても）頼んでも上手に断るようにしたいものだ。
こんなことは一度やりそうなこと、いくら今度からはと思ってもできなくなってしまうものだ。
（経験者語る）小さな事こそ大切な事ではないだろうか。
クラブ活動について
生物研究部 ブラスバンド部 ワンダーフォーゲル部 物理研究部 放送部 音楽部
高校生活を豊かにするために
女子から見た天高の男子
入学当初わがクラス（どのクラスも似たようなことだろうと思うが）の男子は、始業２０分前には着席し、
休み時間さえ教科書とにらめっこしていたのである。こんなガリ勉どもと一緒に勉強するのかとうんざり
する日が続いた。
ところば、１週間もたたぬうちにこの変わりようはどうであろう。始業のベルと同時にどたどたと駆け
込んでくる。ひどいのは、授業が始まった頃に寝ぼけた姿をのっそりと表わす。紙飛行機の作り方を研究しては、
よく飛ぶと言って大喜びする。授業中に下手なしゃれをいって、自分一人で笑っている先生に「ナンセンス」と
言ってのけたり、（ご本人も相当ひどいしゃれを言うくせに！）HRには戦争反対のデモをしようと提案するヤカラが
いたりとにかくふざけている。
いや、こんな連中ばかりではない。勉強にクラブと励み、いならぶ天高の美女連には目もくれぬ気の毒な秀才様も、
運動クラブのやつらは単細胞生物であると断言なさるような複雑怪奇な生物もいらっしゃる。
とにかく、女子諸君が天高において理想的な男性にめぐり会う可能性は、月を回る宇宙から地球上のシラミを
見つけるより少ないと思うが、（エッ？もういるの？！ それはそれは）入学後一週間を除いた３年間は
退屈することはないだろう。
男子から見た天高の女子
この原稿を書くことは喜んで引き受けたのだが、実は少し困っている。というのは事実をありのままに
伝えるかわりに、諸君（男子）をがっかりさせ、女子のお怒りをうけるか、それとも諸君をよろこばせ
また女子にゴマをするために涙をのんで事実をまげて伝えるかということである。こう書いてしまうと
賢明な諸君にはもう事実が伝わってしまったことと思う。
そう「天高の女子」とは・・・のである。これは諸君だけでなく、筆者も大変頭をいためていることである。
（そろそろあきらめかけているのだが）まあ一度諸君のまわりをじっくりながめていただきたい。
あまりこんなことを書くと希望でいっぱいの諸君を失望のどん底に追い落とすことになるので、
このへんでとってつけたようなお世辞を書こう（といってもあまり出ないのだが）
まあ一般的に「やさしい」ということだ。
（こうかくと何もとりえのない女性に何とかとりえをつけたような「やさしい」であるが、別にそうではない。）
つまり諸君が中学校でシリに敷かれけんかをして泣かされたような女ボスはあまり見当たらない。ということである。
それからもう一つお世辞を書くとすれば（一つじゃあまりに君たちがかわいそうだから）それは君たち男子より
成績がいいのがたくさんいるということ。数学でも何でもわからなければどんどん先に聞けばいい。
君たちが時々見かけるカワイ子ちゃんは天高にはいないと思っていれば間違いない。
（思っていた通りいなければあきらめもつくし、もし万一いたら喜びが百倍にもなるであろう）
また何事にも例外というものがある。仲良く一緒に帰っているカップルもあるから、そんなにすねないでね。